ノルウェーの探検船 FF Kronprins Haakon が、
重要な任務を帯びてポール海の内部に向けて出航した。
その目的は、海域の詳細な調査と、地球最北端に生息する生物の特定だ。
―研究の目的と背景―
ポール海は長い間、厚い氷に覆われていたが、
最近の気候変動により氷が減少し、観光、漁業、輸送などの
人間の活動が増加している。このため、急速に変化する環境に
対応するための知識が必要とされている。
氷縁帯は、開かれた海から徐々に流氷に変わる場所で、
多様な生物が生息している。プランクトン、魚類、
ホッキョクグマ、鳥類、アザラシ、クジラなどがその代表だ。
―研究の進行状況―
ポール海の研究は困難で費用がかかるが、今回の調査では
研究者、技術者、管理者が参加し、以下の主要な問題に取り組んでいる。
・ ポール海の貴重で脆弱な生物種はどれか、
そして気候変動がどのように影響を及ぼしているか。
・ ポール海の各部分の人間活動のアクセス可能性と将来の見通し。
・ 現在の人間活動に関する規制とその将来の適用可能性。
―研究の具体的な活動―
調査は、ノルウェー極地研究所(NPI)のポール・ドッド氏が率いる
SUDARCO プログラムの一環として行われている。調査船は
7月18日にロンギャービンから出航し、約1週間かけて
アムンゼン盆地の西部に向かう。船が北に進む過程では、
氷と風が少なくため順調に進行している。
調査チームは、ヘリコプターを使用してナールクジラや
グリーンランドクジラの調査とマーキングを行い、
初回のトロール調査では 82 度北緯、320メートルの深さで行う。
水中の魚とプランクトンの量を測定するため、
エコーサウンダーや X-CTD 技術を使用している。
―研究の成果と未来―
調査船はポール海の最北部と最深部で測定機器を設置し、
2026年までデータを収集する予定だ。また、調査結果を基に、
ポール海の生物多様性と人間の活動の影響についての理解を深め、
適切な管理策を提案することを目指している。
今回の調査は、将来的にポール海での活動が増加する中で、
環境保護と持続可能な利用のために重要な知見を
提供することになるだろう。
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