インドネシアの規制当局は、同国の大手投資先の
ひとつであるアップルによる最新の
スマートフォンの販売計画を拒否した。
インドネシアでは、特定のスマートフォンで
使用される部品の40%を国内で生産することが
求められている。この規則に従うため、アップルは
AirTagトラッキングデバイスの部品を生産するための
製造施設に10億ドルを投資することを提案していた。
しかし、インドネシア産業大臣のアグス・グミワン氏は、
AirTagはiPhoneの一部ではないため、この施設は
iPhone16の現地生産部品ルールが適用されないことを指摘した。
同ルールの導入時である2024年9月より前に
iPhone16の販売禁止は発表されていた。
この規制は、「国内部品レベル(TKDN)」として
知られており、スマートフォン、タブレット、
コンピューターなどのデバイスの不可欠な部品を
国内で生産することを定めたものだ。
ジャカルタに拠点を置くスマートフォン市場アナリストの
アリョ・メイディアント・アジ氏はこの件に対し、
アップルはTKDNスキームのルールに
「理解が足りていない」
ようだ、と述べた。
「AirTagは携帯電話本体とは別に販売される
アクセサリーなので、いくら投資をしても
TKDNの利益配分には貢献しない」
と、同氏は語る。
「理想的には、アップルはインドネシア国内に
部品を生産できる工場を設立し、それを
アップル製品の販売パッケージに含めるべきだ。
たとえば、アダプター、データケーブル、イヤホン、
ケース、さらにはパッケージやマニュアルの
簡単な部品にも評価の重みがある」
インドネシア、さらなる技術投資に注目:
それでも、アップルによるバタム島のAirTag生産施設は、
インドネシア投資省のロサン・ローズラニ氏によると、
来年オープンする予定だという。
これはインドネシアにおけるアップルの最初の
生産施設となり、同国は技術生産拠点として
ベトナムなどの他の東南アジア諸国と
競争しようとしている。
しかし、政府がインドネシアを簡単な選択肢に
していないのではないかと懸念もある。
「私たちは、インドネシアで販売される製品の
地元部品を増やすという政府の意図を評価できるが、
選択肢と必要なエコシステムを提供しないで多国籍企業に
従うよう強いることはできない」
と、ジャカルタを拠点とする国際関係専門家の
ムハンマド・ハビブ氏は語った。
「強気を装うことは、国際社会にマイナスの
シグナルを送る可能性がある。私たちは非常に
高い需要があるが、企業のニーズを満たすことが
できなかった」
と、同氏は率直に語った。
「さらに、シンガポールとマレーシアは最近、
ハイテク製品の生産に焦点を当て、
グローバル技術サプライチェーンに統合される
特別経済特区を創設した」
インドネシアへのアップルの当初の10億ドルの
投資提案は、同社が複数の生産施設を運営する
ベトナムへの約160億ドルの投資と比較されている。
インドも別の投資拠点だ。
アップルは当初、現地部品要件を満たすために
1億ドルの部品工場の建設を提案したが、
政府はそれでは不十分だと述べた。
「私たちは評価を行い、この提案は
公平の原則を満たしていない」
と、産業大臣のグミワン氏は11月に述べ、
アップルの提案をベトナムやタイへのより
大規模な投資と比較した。
インドネシアの「公平原則」は、企業が他の国々で
どのように投資を行っているか比較し、
雇用創出と経済発展への貢献を求めている。
CSISのムハンマド・ハビブ氏は、次期米国大統領に
ドナルド・トランプ氏が就任するにあたって、
インドネシアは米国の技術系大手に対して
どのような影響力を行使するかを考えるべきだと述べた。
「トランプ大統領の任期中、経済、地政学、
その他の分野でさらなるインセンティブや
他の形態の支援を確保するために、トランプ大統領に
企業関係者がアプローチする必要がある。私たちが
厳しすぎれば、投資を失うだけでなく、他の
望ましくない結果にも直面するリスクがある」
アップルにとってインドネシアは大きな潜在市場だが、
同国内で使用されているスマートフォンのほとんどは
韓国のサムスンやOPPOなどの中国メーカーによるものだ。
現地部品のルールを満たしていない海外で購入された
スマートフォンは、それでも税金を支払う限り
インドネシアに持ち込むことができる。インドネシアは、
現地部品の基準を満たしていないとして
GooglePixel携帯電話の販売も禁止している。
「インドネシアにおけるアップルの市場シェアは
大きくないが、特に新製品については顕著だ。
市場シェアの大部分は古い製品が占めている。
消費者は不確実なデバイスを待つことに飽きてしまう、
他のデバイスへの大きな潜在的な移行につながる」
と市場アナリストのアリョ氏は語った。
Author
Choi Kwang-mo
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