1996年の夏、好奇心旺盛な少女が心霊現象の
危険な深淵へと足を踏み入れた。
少女は霊媒板をいじり、呪文を唱えていたが、初めは
何も起こらなかった。しかし、数日後、彼女の環境は
突然一変した。夜になると、耳元でうなり声や名前を呼ぶ
ささやき声が聞こえ始め、寝ている時に金縛りに遭うことが
とても多くなった。目を開けると、ベッドのそばに
フードをかぶった影の人物が立っているのを何度も目撃し、
彼女はそのことに大きな恐怖を感じ始めていたのだ。
さらに恐ろしいことに、彼女は寝ている時に何かが
足に触れる感触を感じるようになり、眠れない夜が続いた。
家族には心配をかけたくない一
心で誰にも相談できず、家にいることが怖くなり、
少女は自由を求めて外へ出る機会を増やした。しかし、
叔母の家に滞在中も、明かりの点滅やささやき声などの
怪奇現象が起こり続け、どうしてもその心霊体験から
逃れることはできなかった。
彼女は意を決して、持っていた霊媒板を処分したが、その夜
「戻ってくる」という声が聞こえ、彼女の恐怖は消えなかった。
引っ越し後、一時的に少しの安心感を得たが、怪奇現象は
完全には止まず、自分自身にまだ見えない何かが
取り憑いているのだと悟った。
ある日、年上のいとこが訪ねてきたとき、そのいとこも
荒いあえぎ声のような呼吸の音を聞いたと言いだし、少女は
この体験が現実のものであることを強く再認識した。
この経験から、少女は心霊的なものへの軽率な興味が招く
危険性を痛感し、以後、このような行為は慎むようになった。
好奇心は危険な扉を開く可能性があることを、
彼女は身をもって学習したのだ。
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