ロシアは近年、独自の「主権インターネット」構築を目指し、
インターネット接続の制御を強化している。最近では、
国内の一部地域でインターネットの遮断テストを実施し、
その規模と影響が注目されている。
:部分的な遮断の実施
欧州ニュースメディアによると、ロシア政府は南西部に位置する
ダゲスタン、チェチェン、イングーシの3つの
自治共和国で24時間にわたりインターネットを遮断した。
これらの地域はイスラム教徒が多数を占めており、
ジョージアやアゼルバイジャンに近い国境地帯だ。
ロシア国内の報道では、VPNを使用しても、
GoogleやYouTube、Telegramなどの外国のウェブサイトや
アプリへのアクセスがブロックされていたとされている。
:主権インターネットの背景
ロシア政府が推進する主権インターネットとは、
外部の影響を受けずに国家が完全に制御できる
ネットワークシステムだ。これには、外国のサーバーや
ウェブサービスの利用制限を強化し、国内サービスへの
移行を促す計画が含まれる。報道によれば、
ロシアは2019年からこのプロジェクトに取り組んでおり、
既にこれまで6億ドル以上の予算が投入されている。
:国際的な影響と分断の懸念
ロシアのこうした動きは、インターネットの分断化を
進める可能性がある。既に一部の西側企業が
ロシア向けサービスを停止しており、WixやNotionといった
プラットフォームがその例だ。さらに、
アマゾンウェブサービス(AWS)などの主要な
ホスティングサービスも将来的にブロックされる
可能性が指摘されている。
:中国との比較
ロシアの取り組みは、中国のインターネット検閲モデルと
比較されることが多い。中国は
「グレート・ファイアウォール」と呼ばれるシステムで、
20年以上にわたり厳格な検閲を行っている。ロシアも
類似の技術を導入することで、国内外の情報の流れを
制御しようとしているようだ。
:今後の課題
ロシアの主権インターネットは、国内の情報セキュリティを
高める一方で、国際社会との情報共有を制限するリスクを伴う。
これにより、ロシア国内の住民が世界の情報から
孤立する懸念性が高まっている。国際社会は、
こうした動きがインターネットの自由と普遍性に
与える影響を注視する必要があると言えるのではないだろうか。
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