米国航空宇宙局(NASA)の研究者らが、最新型の
レーダー技術を使用し、グリーンランドの
氷床の下に埋もれた冷戦時代の米軍基地、
「キャンプ・センチュリー」の詳細を捉えることに
成功した。この基地は、かつて極秘核ミサイル配備計画の
一環として建設され、「氷の下の都市」と
関係者に呼ばれていた。
このキャンプ・センチュリーは1959年に建設され、
1967年に放棄されるまで、氷床下にトンネルや
居住施設を備えた巨大な基地施設として機能していた。
当初は科学研究施設とされていたが、実際には
「プロジェクト・アイスワーム」と呼ばれる極秘計画の
一環だったようだ。この計画は、グリーンランドの氷床下に
核ミサイル発射基地を建設することを
目的として建造されていた。
基地放棄後、キャンプ・センチュリーは氷と雪に覆われ、
地表から約30メートル下に埋もれていた。しかし、
NASAの航空調査中、偶然にもこの基地の構造が
レーダーで捉えられ、詳細な画像が取得された。
この発見は、気候変動による氷床の融解が進む中、
基地に残された放射性物質や化学物質が環境に与える
影響についての懸念を再燃させている。
2016年の研究では、氷床の融解によりこれらの
汚染物質が露出し、環境問題を引き起こす可能性が
指摘されている。
NASAの最新のレーダー技術は、氷床下の構造物を
高解像度で可視化する能力を持っており、今後の
極地研究や環境監視において、重要な役割を
果たすことが期待されている。
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