三井オーシャンフジは、商船三井クルーズが新たに就航させた高級客船だ。
米国のシーボーンクルーズ社から改装して購入され、
全229室の客室が海側のスイート仕様となっている。
船内の特徴は、世界基準の設えと日本の文化や食体験の融合と言える。
予約不要のメインダイニングでは452席を確保し、
すぐに着席できるよう配慮されている。また、著名シェフ
三國清三氏が監修する「北斎FINEDINING」では、
船上で三國氏監修のレストランが初めて提供される。
注目すべき点は、「ミツイオーシャンスクエア」と呼ばれる
多目的共用エリアだ。カフェ、ラウンジ、フロントデスク、
観光デスク、ワークスペース、ライブラリが配置され、
仕事をしたり、休憩したりと自由に利用可能。これは、
ワークスタイルの変化に対応し、40~50代層の現役世代が
利用しやすい配慮となっていると言えるだろう。
三井オーシャンクルーズは、既存船「にっぽん丸」と併せて
2隻体制で運航。このほか、2027年以降にさらに2隻を
追加投入する予定。日本のクルーズ市場が活性化する中、
同社は年間有給休暇取得率の上昇も踏まえ、週末と
有給休暇を組み合わせて利用できるショートクルーズなどを
展開し、40~50代層の顧客獲得を目指す。
また、寄港地観光については国土交通省や地方自治体と連携し、
各寄港地でユニークなツアーを提供する。大型船では
入れないような港への寄港も予定されており、
地域経済の活性化にも貢献したいとしている。
三井オーシャンフジの就航は、日本のクルーズ業界の進化と、
新たな顧客層開拓に向けた戦略的転換を
示唆するものと言えるかもしれない。
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