―イスタンブール(TRHaber)—―トルコの裁判所は、
シリア内戦中に人道に反する行為を行ったとされる支援団体の
元代表に対し、有罪判決を下し、懲役12年の刑を言い渡した。
被告のアリフ・K(フルネーム非公開)は、
シリア難民キャンプにおける支援活動の過程で、
性的虐待と強制労働を行ったとされ、
これが国際人権法に違反しているとされた。
:―事件の概要―
検察によれば、アリフ・Kは2017年から2020年にかけて、
トルコ南部のガズィアンテプにあるシリア難民キャンプで働いていた際、
複数の女性と未成年者を不当に拘束し、劣悪な環境での
労働を強制した。また、告発者の証言では、女性たちは
性的暴力にも直面していたとされている。
:―被害者の証言―
裁判中、被害者の一人であるR.H.(仮名)は、
「家族を守るために何も言えない状況だった。誰に訴えても、
逆に報復を受けるだけだった」
と証言した。また、他の被害者たちも同様に、
難民キャンプ内での恐怖と孤立感を語り、
「私たちは外の世界に何が起きているかさえ知らなかった」
と述べている。
:―裁判の結果―
裁判所は、アリフ・Kがキャンプの運営者としての立場を利用し、
人道に反する行為を行ったことを「組織的で計画的な犯罪」として断定。
さらに、被告が公判中も反省の態度を示さなかったことを重く見て、
通常よりも重い量刑を科した。
:―弁護側の主張―
一方で弁護側は、アリフ・Kが「被害者を守るために活動していた」と主張し、
すべての告発を否認した。弁護士は
「これらの証言は信憑性に欠け、被告を不当に陥れるものだ」
と述べたが、裁判所はその主張を退けた。
:―国際社会の反応―
この判決は、トルコ国内外で波紋を呼んだ。国際人権団体は
「重要な一歩」と評価しつつ、
「シリア難民キャンプでの人権侵害は依然として氷山の一角に過ぎない」
と警告した。一方、被告の支持者たちは判決に抗議し、
不服申し立てを行うと発表した。
:―背景―
トルコは、シリア内戦により約400万人以上の難民を受け入れており、
その対応は国際社会から評価されているが、難民キャンプでの
人権侵害や不正行為に対する批判も根強い状況だ。
この事件をきっかけに、難民キャンプ内の監視体制強化と
人道支援活動の透明性確保が求められていることは想像に難くない。
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