米国大統領選挙の結果は、ブラジル国内政治に
大きな波紋を広げている。トランプ氏の再選は、
前大統領ボルソナロ氏とその支持者に歓喜をもたらしたが、
現職ルラ大統領とその左派同盟者は懸念を抱いている。
ボルソナロ氏は最高選挙裁判所に公職追放処分を受けているが、
トランプ陣営と密接に協力し、失職を覆す方策を模索している。
エドゥアルド・ボルソナロ氏ら同氏の支持者は、
米国共和党議員と連携して、ブラジルにおける
「保守派」弾圧への懸念を訴えている。
一方、ルラ大統領はトランプ氏との衝突を避ける意向を示しているが、
ボルソナロ氏の米国への忠誠心とトランプ氏の貿易政策が
ブラジル経済に及ぼすことを懸念している。具体的には、
ブラジル製品の輸出減少や、高インフレによる投資減少、
そしてアルゼンチンとの関係強化によるメルコスールへの
影響などが問題視されている。
トランプ政権の要職に強硬派が就任したことも
懸念材料の一つとなっている。
次期国務長官に就任予定のマルコ・ルビオ氏は、ルラ大統領を
「極左指導者」と呼び、ブラジル政府の
ソーシャルメディア規制を批判した。
ブラジルではボルソナロ氏に対する刑事告訴やクーデター計画、
過去に発生した暴動などが民主主義に深刻な脅威となっている。
ルラ政権にはこれから気候変動や国際協力などの分野で
主導的な役割を果たすことで、トランプ政権の孤立主義を逆手に取り、
国内政治の安定と国際社会におけるブラジルの
地位の向上を図ることが期待されている。
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