中国江蘇省灌雲県では、女性用下着産業の販売がが急速に拡大している。
この成長の原動力となっているのは、米国が個人宛の小額小包に
適用する関税免除措置「デミニミス」ルールだ。灌雲県の企業は、
この制度を活用して米国市場に参入し、収益を拡大してきた。
しかし、この好調な業績に陰りが見え始めている。バイデン政権が
「デミニミス」ルールの改正を検討しており、トランプ次期大統領が
中国製品への関税引き上げを公約に掲げているのだ。このため、
灌雲県の企業はこのところ将来に不安を感じている。
同県で下着ショールームを経営するレイ・コンルイ氏は、
「関税の引き上げとデミニミス」ルールの制限は、
自社に大きな影響を与えるだろう」
と懸念を表明している。コンルイ氏の会社はシーインや
PPDホールディングスの傘下ブランドTeemuなどの企業に
製品を供給しており、売上の70%を米国市場に依存している。
専門家の試算によると、米国が「デミニミス」ルールを
廃止した場合、中国の対米輸出は1.3%、GDP成長率は0.2%
低下する可能性がある。欧州連合(EU)や東南アジア諸国でも
同様の措置が導入されれば、これらの数字はさらに悪化する。
灌雲県当局も、この産業の将来に懸念を抱いている。
産業の発展を促進するために地方政府が投資してきたが、
生産能力過剰やデフレ圧力につながるリスクも大きく懸念されている。
灌雲県の企業は、米国の顧客への対応として物流拠点の設置や
航空便による配送を検討し始めた。また、Teemuなどの
オンライン販売プラットフォームを利用している南米や中東などの
新興市場への参入も模索している。
下着産業関係者は、これらの企業がどのように逆境を
乗り越えることができるかが、灌雲県の将来の繁栄にとって
重要な課題になると、現在考えている。
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