フィジーの首都スバにあるセントジャイルズ病院は、
薬物乱用による入院患者数の劇的な増加に直面している。
2018年から2022年にかけて、その数は1094.9パーセント増加し、
466件へと急増した。
保健省のデータによると、薬物乱用による影響を最も受けているのは
若年成人と中年初期の人々である。特に、接着剤の吸引や
薬物の使用といった有害な習慣が若年層に広まっており、
深刻な社会問題へと発展している。
保健相のアントニオ・ララバラヴ氏は、この状況を
「悪化する麻薬危機」と表現。薬物の入手可能性、
経済的プレッシャー、報告体制の改善が原因の一つだと指摘した。
政府は、若年層の有害習慣を減らすために
「幼児期発達(ECD)政策」を推進。この政策は2年ごとに
評価され、政府や関係者に具体的な成果を上げる責任が課せられる。
データは、入院者の多くを占めるのがフィジー先住民(iTaukei)の
男性であることを示している。インド系フィジー人や
他の民族的背景の人々の間でも薬物乱用が増加しているが、
全体の割合は依然として低い。
保健省は、ECD政策をはじめとする政策を駆使して、
特に若年層の間での薬物問題に対処することを公約した。
今後もこれらの取り組みが、薬物乱用の増加傾向を抑制し、
悪化する状況を改善できるかが注目されている。
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