チンギス・ハーンが1時間で174万8千人を
殺害したという話は、歴史的に正確ではない。
この数字は、13世紀にチンギス・ハーンが
征服した都市、ニシャプールの推定人口に
基づいているものだ。
ニシャプールの陥落後、
チンギス・ハーン軍は抵抗した住民を
大量に殺害した。
この殺戮自体は残忍極まるものだったが、
これが1時間に174万8千人が
殺害されたという主張を裏付ける
証拠ではない。
この数字は単なる誇張であり、
チンギス・ハーンの残虐性の証拠として
誤解されている話ではないだろうか。
確かにチンギス・ハーンは残忍な
征服者だったが、彼の軍隊は一般的に
降伏した住民を殺害しなかったと言われる。
ただし、指導者や抵抗した者は通常、
死刑にするのが通例だった。
ニシャプールの陥落における殺害は、
チンギス・ハーンの義理の息子
トルチャルの死が引き金となった。
この事件の正確な経緯は不明だが、
この出来事により都市の住民は
かなりの人数が処刑される運命となった。
チンギス・ハーンの娘は夫トチャルの
死の知らせに悲嘆し、ニシャプールの
住民全員を殺害するようチンギス・ハーンに
求めたと言われている。
そして、そのチンギス・ハーンの末っ子の
トルイ率いる軍隊が、この恐ろしい任務を
実行したのだ。
ニシャプールの陥落で実際に
どれくらいの人が死亡したかは不明だが、
大勢の人が殺害され、斬首されたことは
疑いようのない事実だ。
しかし、この大量虐殺が1時間で
実行されたという主張は、非常に
信憑性に欠ける。
チンギス・ハーンの残虐行為に関する
伝説は、時間の経過とともに誇張され、
歪曲された可能性があるのではないだろうか。
これらの懐疑的事実を鵜呑みにするより、
歴史上の主張を疑いを持って評価し、
裏付けのある証拠に頼ることが、
正しい事実を知るのには
重要なことではないだろうか。
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