かつては800億ポンドを投じたマレーシアの
巨大プロジェクトは、今やほとんど放置された
「ゴーストシティ」
と化している。
野心的なプロジェクトの立ち上げから
9年近くが経過したが、現在
このプロジェクトは15%しか
完成しておらず、現在
このプロジェクトエリアに
入居しているのはわずか1%程と
推定されている。
フォレスト・シティと呼ばれるこの都市は、
中国最大の不動産開発業者である
カントリー・ガーデンが、世界の
インフラ強化を目的とした
「一帯一路」
構想の一環として2016年に発表したものだ。
当初の構想では、住宅タワー、商業ビル、
ゴルフコース、ウォーターパーク、
さまざまなレジャー施設を完備した、
100万人近くが住む環境に適応した大都市圏を
作るという大がかりなものだった。
また、騒音や大気汚染を軽減するため、
車を使わない環境設計までされていたようだ。
しかし、今のところプロジェクトの進行は
期待通りには進んでいないようだ。
COVID-19の大流行などいくつかの要因が
購入希望者の意欲をそぎ、さらに開発業者の
財政難も進捗を妨げている。
黎明期にこの街に移り住んだITエンジニアは、
住み始めてわずか半年でこの地を去った後、
「孤独」で「不気味」な環境だと
幻滅を表明した。
中国人観光客による購入を期待するなど、
このフォレスト・シティの活性化に向けた
取り組みが進められているが、
800億ポンドをかけたプロジェクトの先行きは
いまだ不透明なままだ。
現在のところ、かつての有望なこの開発は、
実現されなかった野心の象徴で
あり続けると同時に、人のいない高層ビルは、
その苦い思い出を思い起こさせるものと
なっているようだ。
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