古代ローマの中心部で、考古学者が
ネロ皇帝の贅沢な治世について新たな
洞察を与える驚くべき発見をした。
コロッセオの近くにあるネロの豪華な宮殿、
ドムス・アウレアで、膨らんだ
グレープフルーツほどの大きさの
2.4キログラムのエジプト産青色顔料の
塊が発見された。
この貴重な遺物は、宮殿の豪華な
暮らしぶりを明らかにすることを
目的とした、最近の発掘調査の一部であった。
エジプシャンブルーは、その鮮やかで
長持ちする色から古代において非常に
珍重され、人物の肌、衣服、目の美しさを
引き立たせるためにしばしば美術品に
使用されていた。
この顔料がネロの宮殿に
使用されていたことは、ネロ皇帝が
入手可能な最高級の材料で自らを囲み、
その悪名高い治世と同様の壮麗な
住居を構えようとしたことを示している。
紀元64年の大火災の後に建てられた
ドムス・アウレアは、ネロの
自己満足の象徴だった。
硫黄水風呂や、天の動きを模した
回転天井などの豪華な設備が
この宮殿内には存在した。
印象的なエジプシャン・ブルーと並んで、
今回の調査で赤と黄土色の顔料が
発見されたことは、宮殿の装飾における
緻密で野心的な芸術的努力を示唆している。
エジプシャンブルー自体は、
紀元前3千年頃に作られ、頻繁に
古代地中海全域で広く
使われていたもののようだ。
特にこの顔料は古代エジプトと
メソポタミアで流行し、後にポンペイや
ローマなどにも広まった。
ネロの宮殿でこの顔料が発見されたことで、
当時の芸術や装飾にこの顔料が
使用されていた証拠がさらに増えた。
発掘作業を主導している
コロッセオ考古学公園の研究者たちは、
ドムス・アウレアの装飾における
エジプシャンブルーの使用が、さらなる
調査によって明らかになることを
期待している。
同公園のアルフォンシーナ・ルッソ所長は、
この顔料の色の深さに畏敬の念を示し、
皇帝の離宮を飾った古代の芸術家たちの
技術の証だと述べた。
発掘調査が続けられる中、今回の発見は
ネロの宮殿の壮大さを垣間見る
興味深いものとなり、古代ローマで
最も贅沢な邸宅のひとつで使用され、
洗練された、青いエジプシャン・ブルーの
光にスポットライトを当てている。
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