天文学者たちは、太陽系外惑星の大気の
3次元構造を初めて明らかにし、画期的な
マイルストーンを達成した。
この研究の対象は、正式にはWASP-121bとして
知られるタイロス星で、プピス座の
約900光年先に位置する超高温ガス惑星だ。
この驚くべき偉業は、チリにある欧州南
天天文台の超大型望遠鏡
(VLT)
のESPRESSO装置を用いて達成された。
タイロス星は、地球からわずか1.3日で
1周するという非常に近い距離で主星の
周りを回っている。
この近接性は太陽系外惑星に極端な
大気状態をもたらし、惑星の昼の温度は
摂氏約2,500度まで上昇し、鉄のような
金属を蒸発させるほどの高温になる。
この太陽系外惑星は、片側が恒星に
面している一方、もう片側は常に
暗闇の中にあり、激しい大気現象を
引き起こす強い温度差を作り出している。
研究チームは、タイロス島の3つの異なる
大気層を特定し、それぞれがユニークな
化学組成と風の吹き方をすることを
突き止めた。
これらの惑星の最下層は気化した鉄を含み、
惑星の中層はナトリウムの急速な
ジェット気流が吹き荒れ、最上層は
主に水素からなり、一部の原子は
宇宙空間に飛散している。
特筆すべきは、この中層のジェット気流が
時速70,000kmにも達する風速を示し、
地球で観測された大気風を
はるかに上回ることだ。
これらの発見は、大気の挙動に関する既存の
モデルを覆すだけでなく、太陽系とは
大きく異なる、系外惑星の気候を
理解するための新たな道を開くものだ。
この研究の成功は、より小さく、より低温の
太陽系外惑星の大気に関する将来の研究に
道を開き、我々の住む太陽系の外にある
居住可能な世界の発見に近づく
可能性がある。
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