暗号資産通貨ビットコインは長い間、
株式市場のような伝統的な金融市場の
影響を受けない独立した資産と
考えられてきた。
しかし、最近の動向から、この前提を
疑問視する声も出てきている。
ビットコイン自体は自律的な
通貨であることを目標としているにも
かかわらず、特に株式相場価格の変動率の
高い時には、その市場のトレンドに
追随するという、以前からの定説を
覆すような傾向を見せている。
12月、ビットコインは10万ドルの大台を
突破して話題となり、金融界が騒然とした。
ビットコインの熱狂的なファンたちは
以前からこの価格の上昇を予測していたが、
その急速な値上がりは最も経験豊富な
投資家さえも油断させるものだった。
同じ時期に、ドナルド・トランプ氏が
大統領に当選したことで、次期米国政府が
暗号通貨に有利な環境を作り出すとの
期待から、市場は45%ほど上昇した。
しかし、トランプ政権の政策は
ビットコインにとって予想より
有益なものではなかった。
先に出された新たな関税の発表により、
暗号通貨の価値は現在急落し、
約88,000ドルから83,000ドル以下へと
下落した。
この価値の下落は株式市場の下落傾向と
連動し、ビットコインの独立性について
さらなる議論を促している。
Barstool Sportsの創設者である
Dave Portnoy氏は、最近
ソーシャルメディア上で興味深い
質問を投げかけた:
「ビットコインが米ドルから
独立しているはずなのに、なぜ株式市場の
価格と連動して取引されているのか?」
この投稿はSNSユーザーたちの間で多くの
反響を呼び、ビットコインの行動は短期的な
リスク資産としての地位に
起因する、との意見も出ている。
このMicroStrategyの
マイケル・セイラーCEOが指摘するように、
ビットコイン自体は流動性が高く、
24時間365日取引できるため、市場が
パニックに陥った時に投資家たちにとって
リスク管理をするための資産と
なっているようだ。
この傾向により、ビットコインは
株式市場と同じ値動きをたどることが多く、
投資家たちは不確実な時期にできる限りの
資産を売却しようとする。
いくつかの議論はあるものの、
ビットコインの市場の動きが投資家の
行動と密接に結びついていることは
明らかなようだ。
ガーバー・カワサキの
ロス・ガーバー最高経営責任者(CEO)は、
ビットコインの価格変動はしばしば市場全体の
リスク回避行動を反映していると
指摘している。
このことから、ビットコインはいまだ
ある程度の独立性を保っているかもしれないが、
株式市場との相関性が高まっていることから、
伝統的な金融取引の流れと完全に
無縁であるという、従来の説にはいくつかの
疑問が投げかけられているようだ。
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