台湾のピザハットが、常識を覆す奇抜なピザで、
売上を飛躍的に伸ばしている。豚の血や腸、タピオカ、
臭豆腐など、地元の食材を大胆に組み合わせたピザは、
インターネット上で大きな話題を呼び、賛否両論を
巻き起こしている。
2019年以降から、台湾のピザハットは、地元の食文化を反映した、
驚くべきトッピングのピザを次々と発売している。
亀の形をしたもち米ピザや、オレオとイカ、
フライドチキンを組み合わせたピザなどは、
海外の消費者を困惑させる一方で、台湾の消費者を熱狂させている。
これらの奇抜なピザは、単なる話題作りではなく、
明確なマーケティング戦略に基づいている。
台湾ピザハットのゼネラルマネージャー、アンソニー・リョン氏は、
従来のピザでは、台湾の消費者の購買意欲を
高めることができなかったと語る。そこで、地元の食材を使った、
衝撃的なピザを開発することで、人々の関心を引きつけ、
話題性を生み出す戦略をとった。
この戦略は成功し、奇抜なピザは売上を2桁増やし、
ピザハットを台湾で急成長するブランドへと押し上げた。
しかし、成功の裏には、試行錯誤があった。当初は、
国際チームから懐疑的な反応もあったものの、
リョン氏は独自の判断で、限定版として奇抜なピザを
発売することを決断した。その結果、次々と
限定版ピザの完売を記録し、同店舗はブランド認知度の向上に
大きく貢献した。
だが、奇抜なピザに対する反応は常に好意的とは限らない。
特にピザの母国とも言えるイタリア人からは批判の声も
上がっており、インターネット上では
「人道に対する罪」と揶揄されることもある。
リョン氏によると、批判的な意見を含め、あらゆる反応が
マーケティング戦略の一部だという。重要なのは、
人々の話題となること、つまりピザハットについて語らせることである。
近年は、インパクト重視から、Z世代をターゲットにした
コラボレーション戦略へとシフトしつつある。有名人とのタイアップや、
人気ゲーム・スポーツとのコラボレーションなど、
新たな試みに挑戦している。
台湾ピザハットの成功は、既存の枠にとらわれず、大胆な発想と戦略で
市場を開拓した好例と言える。しかし、常に斬新な
アイデアを出し続けること、そして変化する消費者の
嗜好に合わせた戦略転換が、今後の課題となってくるのかもしれない。
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