ニューヨーク州の医師、マーガレット・デイリー・カーペンター氏が、
テキサス州ダラスに住む20歳の女性に中絶薬を郵送したとして、
テキサス州司法長官ケン・パクストン氏に訴えられた。
カーペンター氏の行動は、ニューヨーク州の
「シールド法」により保護される可能性があり、同法は
他州の患者に対する中絶医療を合法としている。しかしテキサス州は、
カーペンター氏がテキサス州の医療ライセンスを
持っていないことから、処方箋は無効だと主張。
テキサス州の厳しい中絶規制を巡って、同州は中絶薬の郵送を
禁止している。カーペンター氏が提供したのは、
ミフェプリストンとミソプロストールという薬剤で、これらは通常、
妊娠初期の中絶に使用される。テキサス州では中絶を厳しく制限しており、
妊娠20週以降の中絶を禁止しているが、カーペンター氏が送付した薬は、
その制限を越えて使用されたとされている。
裁判所の文書によると、ダラスに住む女性は5月中旬に妊娠し、
薬を使用後、7月16日に出血が激しくなり、病院に
入院する事態となった。女性の妊娠は命に関わるものでは
なかったとのことだが、女性が使用した薬については、
家族にも知られておらず、その後、薬の存在が明らかになった。
このケースは、2022年6月の米国最高裁判所の判決を受けて、
各州で異なる中絶法が導入される中、注目を集めている。
テキサス州を含む共和党支配の州では中絶規制が強化されており、
中絶薬が他州から送付される事例が増加している。
一方、ニューヨーク州は、他州の規制に関わらず、シールド法を通じて
他州の患者への中絶薬提供を合法としているが、テキサス州側は
その合法性を問う訴訟を起こしている。このような法的戦いが
今後の中絶医療のあり方に影響を与える可能性がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿