データセンター業界は、需要の急増と電力供給の制約という
矛盾した危機に直面している。AIやクラウドサービスの
拡大により、データセンターの電力需要は急増しており、
新たなインフラの拡張計画が脅かされている。
業界大手の調査によると、クラウドデータセンターの
インフラ設備投資は今年末までに前年比で30%以上
増加すると予測されている。この投資はAWS、
MicrosoftAzure、GoogleCloudなどの主要
クラウドプロバイダーだけでなく、AI特化の
クラウドビジネスを含む幅広い企業によって行われている。
この大規模投資により、データセンターの容量は
今後6年間で3倍近く増加すると予測される。しかし、
現在のところ電力供給の確保が大きな課題となっている。
世界中の多くの地域で、電力需要が供給を上回っているため、
データセンターの増設が滞っている。英国では、投資家が
利用可能な場所を確保するために動き始めているが、
建設コストが高騰。また、データセンターが
建設前から追加の容量を確保する「事前リース」などの
戦術を使用していることも状況を悪化させている。
さらに、電力需要の急増が環境問題を引き起こしている。
米国では、AI対応のデータセンターの需要が高まり、
石炭火力発電所の寿命が延びている。業界大手のMicrosoftと
Googleは、AIに対応するために2030年までにネットゼロを
達成するという計画が外れ、CO2排出量が大幅に
増加したことを明らかにした。
これらの課題にもかかわらず、データセンター業界には
資金が枯渇する気配はなく、投資家はAIとクラウドサービスの
普及により今後数年間の収益に自信を持っている。
プロジェクトへの資金提供は、電力供給の問題があっても
70%以上の投資家が継続すると予想している。
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