ここ数カ月、ブラジルはブラジル通貨レアルの
急激な下落や金利の上昇など、大きな
経済的困難に直面している。
レアルは2024年に20%以上下落し、
1米ドル=6.18レアルに達した。
この下落は、ルイス・イナシオ・ルラ・
ダ・シルヴァ大統領の財政政策と、
ブラジル中央銀行の行動に対する信頼が
薄れたことに起因している。
インフレ圧力の高まりと通貨安を受けて、
エコノミストはブラジルの基準金利Selicの
予測を修正した。現在では、2025年に
15%を超えると予想されており、
シティのような機関は6月までに
15.50%のピークに達すると予測している。
この積極的な金融引き締めは、2024年に
中央銀行の目標を上回ったインフレを
抑制することを目的としており、国の
財政健全性への懸念をさらに強めている。
金利上昇はブラジルの公的債務、特に
債務ポートフォリオに占める
変動利付債(LFT)の割合の高さに
大きな影響を与える。
これらの債券は現在、債務全体の
46.1%を占め、2004年以来の高水準と
なっている。セリックレートの上昇に伴い、
この債務の返済コストは増加し、財政問題を
悪化させている。
エコノミストは、名目赤字がGDPの
約8%に達する可能性があると予測しており、
これは主要新興国の中で最高である。
フェルナンド・ハダド財務相は、
金利上昇によってインフレが効果的に
抑制されるとの自信を示した。
また、金融政策と並行して持続的な
財政政策が必要であることを強調。
ハダッド氏はまた、富裕層の所得に対する
最低課税を実施することを条件に、
所得税の非課税枠を調整する
提案についても議論した。
これらの提案は、2026年に実施される
可能性があり、議会で厳しい議論に
直面することが予想される。
経済状況は国民の不満を招き、多くの
ブラジル国民が物価上昇と生活水準の
低下の影響を感じている。
だが、現在のところ公共支出を抑制する施策や
歳入を増やす取り組みなど、政府の財政戦略は
国民に懐疑的に受け止められている。
通貨安、高インフレ、債務返済コストの
増大が相まって、ブラジルの
経済政策担当者はこの激動の時代を
乗り切る上で複雑な課題を
突きつけられているようだ。
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