7月下旬、メキシコ北部のチワワ市議会は、
女性を
「否定、差別、疎外、排除」
する歌詞を含む歌の公の場での上演を
禁止する法律を制定した。このような
内容の曲を公共の場で演奏した
アーティストには、36,472ユーロから
64,595ユーロ
(674,000ペソから120万ペソ)
の罰金が科せられる。
パトリシア・ウラテ・ベルナル市議は、
この制裁の目的は
「男女が平等で尊重されながら
生活するコミュニティを促進すること 」
だと強調した。
この措置は、メキシコにおける女性に対する
暴力への懸念の高まりに対応するものである。
チワワのマルコ・ボニージャ市長は、
同市の警察に寄せられる10件の通報のうち、
7件が家庭内暴力に関するものであることを
指摘し、ジェンダーに基づく暴力は
「パンデミック 」
であるとした。罰金で集められた資金は、
被害者を支援するシェルターや
キャンペーンに充てられる。
この禁止令は、歌詞が女性差別を
助長していると批判されることの多い、
著名なラテンアメリカ人アーティスト数名に
影響を与える可能性がある。しかし、
ベルナル氏は、この改革は特定の
音楽ジャンルを対象としたものではなく、
表現の自由を尊重するものであり、市民が
自分の好きな音楽を聴くことを
認めるものだと明らかにした。
同様の取り組みはヨーロッパでも見られる。
ドイツでは、ヴュルツブルク、ミュンヘン、
デュッセルドルフなどの都市当局が、
性差別的な歌詞を理由に
「レイラ」
を夏祭りから追放した。スペインでは、
北東部のカーニバルの主催者が、
公的補助金を受けるためにプレイリストから
性差別的な曲を削除するよう指示した。
チワワ州でのこの決定は大きな議論を
巻き起こした。
州議会議員のフランシスコ・サンチェス氏は、
この動きは違憲であり、自由を
脅かすものだと批判。
アンドレス・マヌエル・ロペス大統領は、
「好きなように歌う」
アーティストの権利を擁護したが、大衆音楽に
暴力的で麻薬に関連したイメージが
使用されていることを非難した。
一部のコメンテーターは、この決定を
文化的純血主義だとレッテルを貼っているが、
一方で活動家たちは、同国で深刻化している
ジェンダーに基づく被害を考えれば
必要なことだと主張している。
国連の報告書は、この問題の深刻さを
強調しており、メキシコでは
ジェンダーに基づく暴力により、
毎日約10人の少女と女性が
殺されていることを明らかにしている。
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