核兵器開発には、科学的、技術的、そして
理論上の大きなハードルを克服することが
必要とされており、そのプロセスを
実現することは現代の先進国の技術を
持ってしても、非常に難しいものだ。
核分裂性物質の入手:
まず始めに、核兵器を開発するために
主な障害となってくるのは、
高濃縮ウラン
(HEU)
やプルトニウムのような核分裂性物質を
入手することだ。
特にウラン濃縮技術は特に難しい技術と
されている。
天然ウランには約99.3%のウラン238が
含まれており、核分裂に必要な
同位体であるウラン235はわずか
0.7%ほどしか含まれていない。
ウランを兵器級レベル
(約90%U-235)
まで濃縮するには、高度な技術と多大な
エネルギー資源が必要となってくる。
このウランの濃縮過程には、わずかな質量の
違いに基づいて、同位体を分離する
ガス遠心分離機が使われることが多く、
この装置を使用するには大規模な
設備投資と技術的な専門知識が
必要となってくる。
プルトニウムは天然には存在せず、
原子炉で合成しなければならない。
これは、ウラン238を照射して
プルトニウム239を生成し、その後、
使用済み核燃料から化学的に
分離する過程を含む。
エンジニアリングと設計の課題:
核分裂性物質の生成にとどまらず、
使用可能な核兵器の設計には更に大きな
課題が残されている。
超臨界質量
(核兵器の爆発的連鎖反応を維持するのに
十分な核分裂性物質の質量)
を実現するには、緻密な計算と専門的な
工学知識が必要となってくる。
超臨界質量を達成するための
主に2つの主要な設計方法:
- 銃型組み立て:
この方法は、超臨界を達成するために、
2つの未臨界のHEU塊を互いに突き合わせる。
概念的には以下の方法より
簡易とされているが、その効率は低く、
プルトニウムの自発中性子放出が
大きいため、やはり専門的な高度な知識が
必要となってくる。
- 爆発型アセンブリ:
この設計では、未臨界のプルトニウム炉心を
対称的に超臨界状態に圧縮するために
従来の爆薬を使用する。
爆縮法はより効率的であるが、正確な
同期と高度な爆薬レンズ技術が
必要となってくる。
安全性とセキュリティの問題:
核分裂性物質の取り扱いと処理は、
潜在的な臨界事故、致死量の放射線を
放出する制御不能な連鎖反応を含む
重大なリスクをもたらす。
これらの危険を回避するためには、
厳格な安全管理と専門的な施設が
必要となってくる。
さらに、核兵器開発に伴う
核拡散リスクは、核能力の拡散を
防ぐことを目的とした国際条約や
監視体制の管理下にある。
結論:
核物質の入手、兵器の設計、
安全管理といった複雑な生成過程は、
核兵器開発に伴う、計り知れない大きな
課題を示している。
こうした技術的、安全上の複雑さが、
核武装国の数が比較的限られていることや、
核拡散を抑止するための世界的な取り決めの
下地を支えている。


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