古代エジプトのファラオ、ツタンカーメンに
まつわる複雑な葬儀習慣について、最近の
学術研究が光を当てている。
1922年に発見されたこのファラオの墓には、
長い間エジプト学者の関心を引き付ける、
数多くの遺物が収められていた。
そのなかでも、石棺の近くに置かれた4本の
金メッキの木の杖と、粘土の皿は現在
ファラオの復活と死後の世界での王の不死を
保証することを目的としていた儀式の
中心的なモニュメントとして再考されている。
ファラオの墓の内部にある木製の杖は、
それぞれ高さ約3フィートで、当初はただの
儀式的な象徴として考えられていた。
だが、最新の研究分析によると、
これらの杖は
「オシリスの目覚め」
の儀式において重要な役割を
果たしていたことが明らかとなっている。
また、この杖を補完するものとして
この場所の近くで発見された粘土製の皿は、
現在に至るまでこれらの紋章を置く台として
考えられていた。
だが、近年の調査の結果、考古学者たちは
現在、これらの皿はファラオに対する
献杯のための器として機能していたと
考えている。
ファラオの葬儀の際には、おそらく
ナイル川の水を含む神聖な液体が
この皿に注がれた。
この液体を注ぐという行為は、浄化と再生の
象徴であり、亡くなったファラオと
オシリスとの結びつきを
強めるものであったようだ。
今回の研究での洞察は、ツタンカーメンの
埋葬についての理解を深めるだけでなく、
古代エジプトの失われた
宗教的・文化的慣習を我々に
伝えてくれるものだ。
荘厳な儀式とそれらに関わる、この象徴的な
遺物は、エジプト人の死後の世界に対する
深い信仰と、ファラオの死後への、永続的な
移行を確実にするための古代エジプトの
知恵が散りばめられたものと言えそうだ。
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