歴史を通じて、人類社会は様々な今日では
異常な奇習とされる習慣に従事してきた。
近年の考古学的発見が、こうした興味深い
習慣のいくつかに光を当てている。
ヨーロッパにおける先史時代の人肉食:
約18,000年前のマグダレニア時代に、
ヨーロッパのある集団がカニバリズムを
行っていたことを示唆する証拠が見つかった。
この証拠を示すポーランドのマシッカ洞窟で
発見された人骨には、肉を切除し、骨髄を
取り出したことを示す、切り傷や骨折の跡が
いくつか見られる。
これらの発見は、おそらく資源が不足していた
時代の儀式的、あるいは生存のための慣習の
一部として、個人が食用に供されていたことを
示唆するものだ。
古代黒曜石の道具工房について:
さらに異なる習慣として、エチオピアの
アワッシュ川流域で、考古学者たちが
120万年前の黒曜石の手斧を作る工房として
機能していた遺跡を発見した。
このような高度な機能を有する道具が数多く
発見されたことは、初期のヒトが、これまで
考えられていたよりもずっと早く、洗練された
道具を持ち、高い生産能力を持っていたことが
伺い知れる。
外科手術の初期の証拠:
視点をヨーロッパに向けると、スペインの
エル・ペンドンのドルメンで発見された
5,300年前の頭蓋骨から、いくつかの人骨から
耳の手術の痕跡が発見されている。
これらの頭蓋骨の外耳道付近には、先端の
尖った刃物で切られたような切断痕が
存在し、このことから、当時のヒトが
この人骨の持ち主の病気を外科的に
治療しようとしていた痕跡がうかがえる。
この発見は、新石器時代のコミュニティの
医学的知識と、慣習についての深い洞察を
我々に与えてくれるもののようだ。
ネアンデルタール人の食生活について:
さらに研究によると、ネアンデルタール人は
腐敗した肉や発光して腐り切った肉など、
様々な現代では食用とすることが
できない状態の肉を摂取していた
可能性がある。
この腐肉食の習慣は、以前までの研究では
古代人が肉を多く摂取していた当時の
食生活の証拠として解釈されていた。
このことから、彼らの骨から発見された高い
窒素同位体レベルとの因果関係を
説明できることになるかもしれない。
腐肉の消費は、新鮮な狩猟に伴う
リスクを避けるための当時の古代人たちの
知恵だった可能性がある。
人類史における衣服の起源:
話を研究室に戻すと、研究室内での
ヒトジラミの遺伝子解析から、ヒトの
衣服の使用は約17万年前に始まったことが
示唆されている。
アタマジラミと衣服シラミの分岐は、
人類が衣服の着用を開始した時期を
明らかにしており、このことは彼らの
寒冷地への移住を助け、重要な
文化的発展を遂げた事実を示しているようだ。
青銅のスプーンによる占いの実践:
また、グレートブリテン島とアイルランド島に
囲まれたアイリッシュ海の中央に位置する、
マン島で発見された2,000年前の青銅製の
スプーンは、当時の占いの儀式に
使われていたものだと考えられている。
ユニークな刻印を特徴とするこのスプーンは、
この地域の鉄器時代の共同体の
精神的・儀式的生活の様子を我々に
少しだけ垣間見せてくれる。
古代の身体改造の伝統について:
さらにいくつかの事実として、
中央ヨーロッパの旧石器時代のヒトの骨格を
分析した結果、紀元前3万年頃に、10歳の
子供を含む個人がラブレット
(頬につける装飾的なピアス)
をつけていたことが判明した。
このようなヒトの身体改造は、個人的な
装飾や、おそらく社会的あるいは部族的
アイデンティティを示す文化的な実践が
広く行われていたことを示唆している。
初期の人間の居住地と常在動物:
初期の人類の居住地に話を移すと、
人間の居住地にハツカネズミが
生息していたとされるのは、およそ
15,000年前と推定されている。
人類がより長く住めるような住居を
構え始めると、ハツカネズミは彼らと一緒に
暮らすようになり、人間と動物の間の
共存関係の最も初期の例の1つを示した。
ネアンデルタール人の認知能力について:
さらに最新の分析によると、
ネアンデルタール人は比喩を用いたり、
抽象的なコミュニケーションを取ることを
苦手としていた可能性がある。
この現代人との脳の構造の違いは、
ネアンデルタール人と我々人類の
認知処理能力の明らかな違いを
示唆しており、当時の彼らの
文化的・社会的行動に大きな影響を
与えていた可能性がある。
古代台湾における儀式的抜歯について:
新石器時代の台湾では、歯の抜歯が
広く行われていた。
この儀式的な行為は、オーストロネシア人の
社会生活における通過儀礼、社会的地位、
または文化的アイデンティティと
密接に結びついていた可能性があるとされる。
これらの多様な発見は、古代人類社会の複雑で
広い分野での行動をより深く理解し、
彼らの適応性、文化的慣習、認知能力の発達を、
我々現生人類であるヒトに
伝えてくれるもののようだ。
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